天之忍穂耳命の国造り
アマテラスは、自分とスサノオの誓約で生まれた天之忍穂耳命に国造りをさせようとしたんだけど、天之忍穂耳命は「葦原中国はずいぶん騒がしんだけど!」ってすぐに戻ってきちゃったんだ。
そこで、アマテラスとタカミムスヒは八百万の神を集めて会議を開かせたよ。
葦原中国には乱暴な国つ神がたくさんいるらしいんだけど、どの神を使わせれば服従させられるのかと思金神と八百万の神たちにきくと「天菩比神」をご指名してきたんだ。
戻らない天菩比神
早速、天菩比神を送りこんだんだけど、大国主に懐柔されて3年たっても戻らなかったよ。
アマテラスとタカミムスヒはまた、八百万の神にきいてみたんだ。
「天菩比神は全然戻ってこないんだけど。。。他の神を送るとしたら誰がいいかな?」
思金神は今度は「天若日子」をご指名してきたよ。
またも戻らない天若日子
そこで、天若日子に弓と矢を授けて送り出したんだけど、大国主の娘の下照比売命を妻にして、国を自分の物にしようと野望をいただいて8年戻らなかったんだ。
アマテラスとタカミムスヒはまた八百万の神に聞いてみた。
「天若日子が全然戻ってこないんだけど。また誰かを送って天若日子が戻らない理由を知りたいんだけど。。。」
次に思金神は「鳴女という雉(きぎし)」をご指名してきたんだ。
探りにいく鳴女
「鳴女」はなぜ8年も帰ってこないか、天若日子に尋ねたんだけど、アマテラスが授けた矢で天若日子に殺されてしまったよ。
矢が刺さったままの「鳴女」の亡骸はアマテラスとタカミムスヒのところまで届いたんだ。
アマテラスとタカミムスヒは、
「この矢が悪い神を射るのに放たれた矢なら天若日子には当たるな!もし、邪心を持って射った矢なら天若日子を死なせろ!」と言って矢を投げ返したよ。
矢は天若日子に胸に刺さり、死んでしまったんだ。
天若日子の葬式
天若日子の妻下照比売命の泣く声は天まで届いて、天若日子の父天津国玉神と妻も下界に降りて悲しんだよ。
葬儀用の仮小屋に、阿遅鉏高日子根の神が天若日子を弔いに来たんだけど、その姿が天若日子にそっくりだったので、父天津国玉神と妻は天若日子が生き返ったと喜んだんだ。
すると、死人と間違われた阿遅鉏高日子根の神はすっごく激怒して仮小屋を蹴散らして飛び出してしまったよ。
死は穢れだから、死体に間違われることはとても嫌なことだったんだね。
ちなみにこの阿遅鉏高日子根の神は、大国主と多紀理毘売命の子だよ。