日本神話(古事記)

[23]神武天皇の正妻

天皇になる前に結婚していたイワレビコ

神倭伊波礼毘古命カムヤマトイワレヒコがまだ日向(宮崎)にいたときに、阿多(鹿児島)で阿比良比売アヒラヒメと結ばれ、多芸志美美命タギシミミノミコト
岐須美美命キスミミノミコトの二名を生んだんだけど
大和(奈良)で天下を治めるために正妻を探していたよ。

天皇になるため、正妻を探す

大久米命おおくめのみことが、奈良県三輪山に神の大物主神オオモノヌシ勢夜陀多良比売セヤダタラヒメ(三嶋湟咋の娘)という美人さんの子比売多多良伊須気余理比売ヒメタタライスケヨリヒメを見つけてきたんだ。

ちなみに、大物主神オオモノヌシは大国主と同一神とされていて、勢夜陀多良比売セヤダタラヒメに一目惚れしたので勢夜陀多良比売セヤダタラヒメが川でう◯こをしているときに、「丹塗矢」という赤い矢になって陰部を突いたよ。

勢夜陀多良比売セヤダタラヒメはびっくりして陰部にささった「丹塗矢」を持って帰り寝室に置いておいたら、その矢がイケメンになったんだ。それで産まれたのが比売多多良伊須気余理比売ヒメタタライスケヨリヒメ
だよ。
以下伊須気余理比売イスケヨリヒメというね。

実は富登多多良伊須須岐比売命ホトタタライススキヒメ
という名前が嫌で改名したんだけど、なぜ嫌かって言うとこの「富登ホト」には陰部という意味があるのでそれを嫌って改名したとか。乙女だね!

で、その伊須気余理比売イスケヨリヒメを妻にするべく、大久米命おおくめのみことが動くよ。

伊須気余理比売イスケヨリヒメを正妻にしたい

高佐士野(鳥取県西伯郡伯耆町の「越敷野(コシキノ)」に比定)で7人の乙女が遊んでいたんだけど、その中に伊須気余理比売イスケヨリヒメがいたので
歌を歌って口説き落とし結婚したんだ。

そこで産まれたのが
・日子八井命(ヒコヤイノミコト)
・神八井耳命(カムヤイミミノミコト)
・神沼河耳命(カムヌナカハミミノミコト)
の三人だよ。

イワレビコの死後、後妻を嫁にする多芸志美美命タギシミミノミコト綏靖すいぜい天皇

神倭伊波礼毘古命カムヤマトイワレヒコがなくなった後、腹違いの兄多芸志美美命タギシミミノミコトは、伊須気余理比売イスケヨリヒメを妻にしたんだ。
多芸志美美命タギシミミノミコトからすれば、伊須気余理比売イスケヨリヒメは父の後妻にあたるよ。

多芸志美美命タギシミミノミコト伊須気余理比売イスケヨリヒメの三人の息子を亡き者にしようと画策していたので伊須気余理比売イスケヨリヒメは三人の息子に歌でそれを知らせたんだ。

歌を聞いた三兄弟は、多芸志美美命タギシミミノミコトを殺そうとしたんだけど、神八井耳命カムヤイミミノミコトは震えて殺せなかったので、三男の神沼河耳命カムヌナカハミミノミコトが殺したよ。その勇気をたたえて建沼河耳命タケヌナカハミミノミコトと呼ばれるようになったよ。

こうして建沼河耳命タケヌナカハミミノミコト綏靖すいぜい天皇)は天下を治めたんだ。
ちなみに神倭伊波礼毘古命カムヤマトイワレヒコは137歳で死んだよ。