日本神話(古事記)

[16]国譲りの完成

アマテラスは一体どの神を使わせればうまくいくのか、八百万の神に尋ねたよ。
思金神オモヒカネ伊都尾羽張イツノオハバリの神またはその子である建御雷之男神タケミカヅチをご指名したんだ。
伊都尾羽張イツノオハバリの神のところへは、天迦久神アメノカクに行かせ、快諾してくれたので建御雷之男神タケミカヅチはアメノトリフネとともに出雲の伊那佐の浜に降りたったよ。

建御雷之男神タケミカヅチは十掬剣(とつかのつるぎ)を逆さまに立て、その刃先にあぐらをかいて座って
大国主に向かって「アマテラスの命をうけてここに来たが、お前が我が物としている葦原中国は我が子が治めるべきだとおっしゃられているけど、どう思う?」と問うんだ。

大国主は葦原中国を譲りたくないので、自分にはわからないから子である八重言代主神ヤヘコトシロヌシに返事をさせると言ったよ。

でも、今は鳥や肴を取りに御大の崎(みほのさき)に行っていてしばらく帰らないというので、アメノトリフネに呼び戻させると八重言代主神ヤヘコトシロヌシは、この国を天つ神の御子にさし上げましょうと行って姿を隠したんだ。

建御雷之男神タケミカヅチは、他に何か申したい子はおらぬかと大国主にたずねたら、自分にはもう一人建御名方タケミナカタの神という子がおりますと答えたよ。

そうこうしているうちに建御名方タケミナカタの神が帰ってきて、力比べで決めようと言い出したんだ。

建御名方タケミナカタ建御雷之男神タケミカヅチの手を引っ張ると、建御雷之男神タケミカヅチの手はたちまち氷の棒から剣に刃になったよ。
逆に、建御雷之男神タケミカヅチ建御名方タケミナカタの手を取ると手の力が抜けて葦のようにふにゃふにゃになってしまったもんで、建御名方タケミナカタは逃げ出したんだ。

追い詰められた建御名方タケミナカタは、「ここから動かないから殺さないでください。父のいうことを聞きます。この国は天つ神の御子の思うようにしてつかあさい!」と懇願したよ。

建御雷之男神タケミカヅチは、大国主のところへ戻りお前はどうするつもりかと尋ねたんだ。

すると大国主は、葦原中国を譲る代わりに大きい社を建ててくれと交換条件をだしたよ。
自分の子供である百八十神と事代主を天つ神に仕えさせ、自分は出雲で隠居生活をすると約束したよ。

迎賓館でさんざんご馳走になってから、建御雷之男神タケミカヅチは天に戻りアマテラスに葦原中国を平和に平定したことを伝えたんだ。

この交換条件で建てられた社が「出雲大社」の起源になったんだ。