日本神話(古事記)

[29]比婆須比売命(ヒバスヒメノミコト)

沙本毘売命サボヒメが言うとおりに垂仁天皇は美知能宇斯王ミチノウシノミコの娘の、
比婆須比売命ヒバスヒメ
弟比売命オトヒメ
歌凝比売命ウタゴリヒメ
円野比売命マトノヒメ
4姉妹を妻として迎えたんだけど
比婆須比売命ヒバスヒメ弟比売命オトヒメだけを残して、
歌凝比売命ウタゴリヒメ円野比売命マトノヒメ
不細工だからという理由で故郷に送り返してしまったんだ。

どこかで聞いたことあるエピソードだと思ったら、
天孫降臨のニニギがイワナガヒメのエピソードと同じだね!

妹の円野比売命マトノヒメは同じ姉妹なのに、ブサイクという理由で
2人だけ拒否られたことが恥ずかし過ぎて、
木の枝で首を吊って死のうとしたんだけど、
弟国にたどり着いたときに、ついに崖から落ちて死んでしまったよ。

垂仁天皇は多遅多摩毛理タヂマモリを常世の国へと派遣して、
良い香りの実…不老不死の霊薬といわれる橘(タチバナ)を探させたんだけど
タジマモリが木の実を持ち帰ったときには垂仁天皇は135歳ですでに亡くなっていたよ。

多遅多摩毛理タヂマモリは半分の苗を皇后に献上して、
残り半分の苗を垂仁天皇の墓の入り口に供えて、木の実を捧げ持ったまま大声で泣き叫んで
「常世の国の香りの良い木の実を持って来ました」といいながら死んでしまったんだ。

ちなみに、その香りの良い木の実とは今で言うところの「橘(タチバナ)」だよ。

垂仁天皇の時代(270年〜330年頃)まで高貴な人が亡くなると、
従者の中から選ばれた人々が生き埋めにされていたんだ。

皇后の比婆須比売命ヒバスヒメが亡くなった時に、
野見宿禰ノミノスクネが「生きている人間の代わりに埴輪を埋めてはどうか」と提案して
埴輪が置かれるようになったよ。