日本神話(古事記)

[52]21代 雄略天皇 その1

大長谷王オオハツセノミコこと21代 雄略天皇は長谷朝倉宮(ハツセノアサクラノミヤ=奈良県桜井市初瀬だが朝倉宮は不明)にて、天下を治めたよ。

この雄略天皇は安康天皇が望んだとおりの結婚相手、大日下王オオクサカノミコの妹の若日下王ワカクサカノミコを妻としんだけど子どもはいなかったんだ。

また、大日下王オオクサカノミコの息子目弱王マヨワノキミの家臣だった都夫良意富美ツブラオオミの娘の韓比売カラヒメを妻として産んだ子が白髪命シラカノミコト(=後の清寧天皇)だよ。
次に生まれたのは若帯比売命ワカタラシヒメノミコトだったんだ。

雄略天皇と若日下王ワカクサカノミコ

雄略天皇がまだ妻にする前に、日下(東大阪市日下)にいた若日下王ワカクサカノミコのところへ訪れたときのとこだよ。
宮殿を真似たような『堅魚木(かつおぎ)』をつけた豪邸があったので誰の屋敷かたずねたら「志機大県主シキノオオアガタヌシの家」だというので、早速この家を焼いてしまおうとしたんだ。
すると主の志機大県主シキノオオアガタヌシが慌てて貢物として布をかけ鈴をつけた白い犬を献上したよ。

え!犬?やば!殺される!

と思いきや、火を点けるのをやめてその犬を受け取り、若日下王ワカクサカノミコへ結納の品として渡したんだ。

若日下王ワカクサカノミコはそんなことより太陽を背に負ってここまできたことに驚いて、「後日改めてこちらから宮廷へおつかいします」と伝えたよ。

神武東征のときに神武天皇の兄、五瀬が日下(くさか)から昇った太陽に向かって戦いって亡くなっているので縁起悪いもんね。
そして、一旦お断りを入れるのはこの時代のお約束だよ!

女の子大好きちょっと天然な、雄略天皇

ある日、雄略天皇が遊びにでかけたとき、川で洗濯している綺麗な乙女と出会ったので
名前を聞いて「いずれ呼び寄せるから誰とも付き合うなよ」と言って宮廷に帰ったことがあったよ。

その時の乙女、赤猪子アカイコは、天皇の命令を守ってたけど、そのことを忘れられていて長い年月が経ってすっかりおばさんになってしまったんだ。

もう誰ももらってくれない年齢になってしまったけど、せめて待ち続けていたことは天皇に伝えたいと思い
赤猪子アカイコはたくさんの貢物を持って宮廷に行ったよ。

天皇は驚いて「若い時なら妻にしたかったけどさすがに老けたなあ〜」って失礼な歌を歌い、
号泣する赤猪子アカイコにたくさんの賜物を渡して帰らせたんだ。

またある日、雄略天皇が吉野宮(ヨシノノミヤ)に行くときに吉野川の浜にいた美人の乙女を妻として連れ帰ったよ。
その後また吉野に行くときにその乙女も連れていき、出会った場所に座って琴を弾き、乙女に舞を踊らせたんだ。
ずっと見てないな〜って歌いながら。。。どんだけ女好きなのか?

さらに、吉野でアブに刺されたことがあったんだけど、トンボ(蜻蛉)が来てそのアブを食べて飛んでいったんだ。
それに気を良くしたのかここを蜻蛉島(アキヅシマ)と名付け、この野を阿岐豆野(アキヅノ)と言うようになったよ。