日本神話(古事記)

[50]20代 安康(あんこう)天皇

允恭インギョウ天皇の息子の穴穂御子アナホノミコこと 20代 安康天皇は石上穴穂宮(イソノカミノアナホノミヤ)今の奈良県天理市田町にて、天下を治めたよ。

安康天皇は、実の弟大長谷王子オオハツセノミコと仁徳天皇の娘若日下王ワカクサカノミコを結婚させようと思い、仁徳天皇の息子大日下王オオクサカノミコの元へ根臣ネノオミを派遣して、妹を宮廷にこさせるよう伝えたんだ。

根臣ネノオミの嘘

大日下王オオクサカノミコもいつかこんな日が来ると思って、妹を大切に手元に置いておりましたと、
妹に押木の玉鬘(オシキノタマカズラ)という髪飾りを添えて送り出したんだけど
根臣ネノオミが髪飾りを盗み取って、嘘の報告を天皇にしたよ。

大日下王オオクサカノミコが天皇の命令をしりぞけ、妹を同族の下働きにできるかと太刀を掴んで怒っていた」と聞いた天皇は怒り狂って大日下王オオクサカノミコを殺し、その妻の長田大郎女ナガタノオオイラツメを自分の妻にしたよ。

ちなみに、直前に近親相姦のスキャンダルがあったばかりなのに、安康天皇と長田大郎女ナガタノオオイラツメは同じ母親から生まれた姉弟だよ。でも他の文献では、長田大郎女ナガタノオオイラツメは履中天皇の娘という記載があるので、だとしたら従兄弟だよ!セーフ!?

長田大郎女ナガタノオオイラツメの連れ子

その後しばらくして、安康天皇が神床で昼寝をしていたとき、妻の長田大郎女ナガタノオオイラツメ
「連れ子の目弱王マヨワノキミが成人して父親を殺したのが、自分だと知ったら反逆する心を持つのではないか」と心配事を話していたんだけど、
神床の下で遊んでいた目弱王マヨワノキミは、この話をしっかり聞いてしまったよ。

目弱王マヨワノキミはまだ7歳だったけど、天皇が眠っているときに天皇の首を打ち切り、都夫良意富美ツブラオオミの家に逃げこんだんだ。

このとき安康天皇は56歳だったよ。
お墓は菅原伏見の岡=奈良県奈良市宝来町古城にあるよ。