日本神話(古事記)

[44]16代 仁徳天皇 〜聖帝と呼ばれて〜

大雀命オオサザキノミコト(=仁徳ニントク)天皇は難波(ナンバ)の高津宮(タカツノミヤ)(=現在の大阪市東区法円坂町)で天下を治めたよ。

建内宿禰タケウチノスクネの子の葛城(カズラキ)の曾都毘古ソツビコの娘の石之日賣命イワノヒメノミコトを正妻として

大江伊邪本和氣命オオエノイザホワケノミコト(=履中リチュウ天皇)、

墨江中津王スミノエノナカツノミコ

蝮水齒別命タジヒノミズハワケノミコト(=反正ハンゼイ天皇)、

男淺津間若子宿禰命オアサヅマワクゴノスクネノミコト(=允恭インギョウ天皇)

の4人の子供を授かったんだ。

聖帝ヒジリミカドと呼ばれた仁徳天皇

仁徳天皇は、ある日高い山に登って四方の国を見て「国見」をしたんだけど、
国のどこにも釜戸の煙が出てなくて、国中の民が皆、貧窮していることを知ったよ。
それから三年の間、すべての民の租税などを免除したんだ。

それもあって、天皇の住む大殿が壊れても修理することもできず、雨漏りを避けて暮らしていたよ。

三年経って国の様子を見てみると、いたるところに釜戸の煙が滿ちていたんだ。
民がようやく豊かになったとき、労役や納税を再開したよ。

これで百姓は栄えて、勤労奉仕に苦しまなくなったので仁徳天皇の時代を讃えて聖帝(ヒジリミカド)の世と呼ばれたんだ。

 

そんな聖帝ヒジリミカドと呼ばれた仁徳天皇の大后(オオキサキ=正妻)の石之日売命イワノヒメノミコトはとても嫉妬深かったので、天皇の妾(メカケ)(=側室)は宮中を歩くこともままならず、天皇の恋の噂など聞けば足をバタつかせて妬んだよ。

だけども、仁徳天皇は大の女好きで、石之日売命イワノヒメノミコトは、三人の女性にヤキモチを妬くことになるよ。