日本神話(古事記)

[43]伊豆志の神の娘と春山之霞壮夫の恋

この伊豆志神社の八座の大神には娘がいて伊豆志袁登売神イズシオトメノカミというんだけど
いろんな神々が妻にしたいと狙っていたんだけど、だれも結婚できなかったよ。

そこに
兄の秋山之下氷壮夫アキヤマノシタヒヲトコ
弟の春山之霞壮夫ハルヤマノカスミヲトコという二名の神の兄弟がいて

兄は弟に伊豆志袁登売神イズシオトメノカミに相手にされなかったので
お前が付き合えたら、着物全部脱いで、酒やご馳走やらをおごってやる!と言ったんだ。

弟は簡単だと言って、一部始終を母親に伝えると、母親は一晩のうちに
藤葛で全ての衣類と弓矢を作り、弟に着させて伊豆志袁登売神イズシオトメノカミの元へ送りだしたよ。

すると衣装や弓矢が藤の花で満開となったので、その花咲き誇る弓矢をかわや(トイレ)に立て掛けておいたんだ。

かわや(トイレ)で不思議な弓矢を見つけた伊豆志袁登売神イズシオトメノカミは、それを持ち帰ったよ。
その時、弟は一緒に部屋に入ることに成功し、子供を授かったんだけど、
兄は悔しすぎて自ら言い出しくせに罰ゲームをしなかったんだ。

弟がそのことを母親にチクると、母親は、
「嘘をつくなんて人間みたいな真似するな!」
と怒り、兄に呪いをかけてしまったよ。

 

これで兄は8年もの間、重い病気で苦しんだんだ。

兄が母親に許しをこうてやっと呪いは解け元通りになったよ。